分かりづらい不動産関係の英語用語をまとめました

たまに遭遇する分かりにくい英略語になっている不動産用語をまとめました。

目次

基礎的用語

AD(エーディー)とは不動産賃借の媒介の際の広告宣伝費用のことです。

不動産業者が依頼者のから1か月仲介手数料とは別に、貸主が宅地建物取引業者にAD(広告費相当額)を支払うことがあります。広告費相当額というよりも、貸主がリーシングに苦戦している場合に、仲介業者にインセンティブを与えるために付与されることが多いです。AD100とは1か月分、AD300であれば家賃の3か月分の報酬(インセンティブ)が宅建業者へ支払われます。

ADはAdvertisement Expensesの略称です。

AM(エーエム)とは資産運用業務や資産運用会社のことです。

不動産会計の資産運用に係る契約を締結し、 物件の取得、運用、売却、 資金調達等の全般的なの役割を担っています。

AMはAsset Managementの略称です。

BM(ビーエム)とはビルマネジメント業務やビルマネジメント会社のことです。

建物を主体とした不動産自体の管理業務や建物設備保全業務、 警備や防災業務の主に物件のハード面の管理に関する業務を担っています。

BMはBuilding Managementの略称です。

DD(ディーディー)とは物件の詳細な調査のことです。

日本語で言うとデューディリジェンスで、買い手が物件の取得前に行う物件の詳細な調査のことで、法的権利関係、導法性、マーケット、賃貸借契約 土壌汚染等の詳細を、 ER業者、弁護士、 コンサルタント等にも委託して行います。

DDはDue Diligenceの略称です。

CAP(キャップ)とは還元利回りのことです。

還元利回りとは、投資によって得られた利益を、その投資にかかった費用で割った値を年率換算したものです。つまり、投資によって得られた利益を考慮して、実際に得られる利回りを示す指標となります。還元利回りは、投資家が投資先を選ぶ際に参考にすることができる重要な指標の一つです。

CAPはCap Rateの略称です。

建物関係

CAPEX(キャペックス)とは建物への資本的支出のことです。

略してキャペともいいます。資本的支出(CAPEX)とは、企業が長期的な目標を達成するために、設備や機械、不動産などの固定資産を購入・更新するために支出する費用のことを指します。これに対して、日々の事業運営に必要な支出や、商品の仕入れ費用などは、運転資本(OPEX)と呼ばれます。CAPEXは、企業の将来的な成長や収益性向上を目的として行われる支出であり、企業の財務分析や投資家の投資判断において重要な役割を果たします。

CM(シーエム)とは建設プロジェクトや修繕工事の管理設計のことです。

建設プロジェクトや修繕工事の企画、設計、工事、引渡しの各段階にスケジュール管理、コスト管理、品質管理、 情報管理等を行う業務を指します。

CMはConstruction Managementの略称です。

ER(イーアール)とは建物の調査報告書のことです。

日本語で言うとエンジニアリング・レポートの略。 物件の物理的調査報告書全般を指す。 建物状況調査 遵法性、構造、耐震、修繕更新費用( 急・短期・長期) 土壌汚染調査、PML値の算定等、様々な種類がある。 REITでは取得前のデューディリジェンス(DD)でERが取得 される。 また、 REITでは、取得前DDで一度ERを取得済みの物件でも、5年に1回程度のペースでERを再取得することが一般的。

ERはEngineering Reportの略称です。

契約関係

CA(シーエー)とは秘密保持契約書のことです。

CAが締結されると情報の開示を受ける側や双方が秘密保持義務を負います。物件取得や融資等を行う際に事前に差し入れておかないと案件が進まない場合が多々あります。

CAはConfidential Agreementの略称です。

IPO(アイピーオー)とは新規の公募増資による新規上場のことです。

通常はJ-REITの東京証券取引所不動産投資信託証券市場への新規上場や、インフラ REITの東京証券取引所インフラファンド市場への新規上場を指す。 私募REITは、 「IPO」と呼ばずに、 「運用開始」のような使われ <>PO 方をする。 「2017年はREITマーケットが低迷し、 IPOを延期した銘柄も多い。」とか「2012年4月にケネディクス・レジデンシャル投資 法人が新規上場を公表。 J-REITでは産業ファンド投資法人以来、4年半ぶりのIPOとなった。」 のように使われる。IPO

IPOはInitial Public Offeringの略称です。

LOA(エルオーエー)とは売主による「売渡承諾書」のことです。

不動産売買における売主による「売渡承諾書」、 「落札決定書」、 「売意向表明書」 「優先交渉権者決定通知書」等の書面のこ と、買主候補先からLOI (「買付証明書」、 「明書」等の書面。)の提出を受けて、 売主がLOAを提出する。 LIだけ、又は LOIとLOAだけでは、一般に契約はまだ成立していない。 「ノンバインディングではあるが、既にLOAはもらっているので確実に取得 できる。」とか 「タッピングした結果、最も競争力の高い価格を提示した先からLOI (買付証明書)の提出を受けたので、今般6月末 を決済日とする条件を付してLOA (売渡承諾書)を交付する。」 のように使われる。

Letter Of Awardの略称です。

LOI(エルオーアイ)とは意向表明書や関心表明書のことです。

物件取得では買主候補による「買付証明書」、「購入意向表明書」等の書面のこと。 このほか、 融資ではレンダーによる 「融資参加関心表明書」 「融資意向通知書」、「融資意向について」等の書面が、 私募REITの増資では 投資家による「投資参加関心表明書」等の書面が、M&Aでの「基本合意書」等の書面が、それぞれLOIと呼ばれる。 LOIだけ、又は LOIとLOAだけでは、一般に契約はまだ成立していない。 「物件取得に向けLOⅡは提出したが、 LOAはまだ受領できていない。」とか 「レンダーからはLOIを受領済であり、資金調達は問題ない。」のように使われる。

Letter Of Intentの略称です。

LTV(エルティーブイ)とは資産価値に占める負債の割合です。

ローントゥーバリューの略。 資産価値に占める有利子負債 (借入金及び投資法人債の合計。 有利子の預り敷金保証金等も含めら れることがある。)の割合をいい、 DSCRとともにREITの財務安全性をみる最も代表的な指標となっている。 運用ガイドライン、レン ダーとの融資基本合意書 決算説明資料等によって、 LTVの定義・計算式が異なっていることが一般的であり、 「有利子負債 総資産」「有利子負債÷鑑定評価額」、 「有利子負債÷時価総資産」のように複数存在する。 特に融資合意書では、計算式が 細かく規定されており注意が必要になる。 LTVを上げることで分配金を上げるレバレッジ効果があることから、レバレッジ (Leverage)やレバとも呼ばれる。

Loan To Valueの略称です。

NOI(エヌオーアイ)とは賃貸事業に係る減価償却費控除前の利益のことです。

「賃貸事業利益+減価償却費」で計算される。 「賃貸事業収入 賃貸事業費 用(除く減価償却費)」でも同じ値になる。 所有者の会計方針次第で減価償却費は違う数字になるが、 NOIは、キャッシュの裏付け NCF があり物件単位での横比較もできるため、 物件の収益性を分析する際に重視される。 「鑑定では賃料上昇を織り込んで年間NOI を95百万円と見込んでいるが、 AM会社が査定した年間NOIは、 アクチュアルの賃料と足元の増額交渉を踏まえ現実的な水準に NO利回り 設定しており、90百万円と見込んでいる。」 のように使われる。

Net Operating Incomeの略称です。

PM(ピーエム)とはプロパティマネジメントのことです。

プロパティマネジメント又はプロパティマネジャーの略。 物件単位でのリーシング、テナント管理、契約管理、 入出金管理、予算策 定、工事管理等、主に物件のソフト面の管理業務、又はこれらを担当する会社をいう。

Property Managementの略称です。

PO(ピーオー)とは公募増資のことです。

上場しているJ-REIT及びインフラ REITの増資は、一般にPOにより行われる。 グローバルオファリングの場合は、 GPO又はGOとなる。 なお、 非上場の私募REITは、公募ではなく私募のため、POとは呼ばれず、単に増資と呼ばれる。 「REITは、 期初月にPO (公募増資) をする。」 とか 「50億円しかパイプラインが見えておらず、 今回はPOではなく、借入れで購入する。」のよう に使われる。

Public Offeringの略称です。

PSA(ピーエスエー)とは売買契約書、又は売買契約を締結することです。

「契約 (PSA) 決済 引渡し→登記」のフローでは、契約 (PSA) は同日別日のいず 決済 れのケースもあるが、決済・引渡し・登記は一般に同日に行われ、 クロージング日と呼ばれる。 「7月20日 PSA、7月31日 決済」の 引渡し ように使われる。

PSAはPurchase and Sales Agreementの略称です。

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この記事を書いた人

不動産鑑定士、宅地建物取引士、フィナンシャルプランナーです。
不動産に関するお役立ち情報を発信しています。

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